ベーシストの独り言

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10 Pieces for solo bass
〜ソロベースの為の10の小品〜

〜ソロベースの為の10の小品〜
〜ソロベースの為の10の小品〜

ドラマー橋本学による作品解説

長年に渡って様々なバンドで共演してきたドラマーの橋本学くんにCDの解説を書いていただきました。

ソロベースと言う音をイメージしにくいCDを見事な文章で説明してくれました!

               

コントラバス奏者・エレクトリックベース奏者岸徹至のソロ・アルバム「10 pieces for solo bass」が遂に完成した。

筆者はミュージシャンとして人生初めてジャズクラブに出演したライブで、岸君とステージを共にした。以後長年に渡り数限りないライブ・ツアー・レコーディングを共にした身としては感慨深く、このソロ作品に彼の人間性が凝縮しているようにも感じる。
ミュージカルの劇伴やライブなど多忙な中で、定期的なソロ・ライブをライフワークとしている。自分の音楽世界を1人きりで表現する。音楽家としての究極の姿であり、夢でもある。ベースという、音楽活動の大半を「縁の下の力持ち」として送っている楽器で「あえて」ソロ。いかにも岸君らしいと思う。
筆者は岸君のリーダーバンド「Strandbeest」に参加させてもらっており、彼の音楽性のバンド表現の場に立ち会った。その音楽世界は多様なジャンルをまたぎ、実にキメ細かく、お客様を驚きを持って楽しませるエンターテイメント性に満ちている。

このソロ作品でもそれは全く同じだ。
ベーシストのソロ作品は、潔く1人きりでライブと同様1回録音で最後まで録る作品と、オーバーダブを重ねて何度も録音された作品と大きく2種類ある。
この岸徹至ソロ作品は何とそのどちらでもなく、普通はオーバーダブで録るような、メロディ・ベースライン・和音伴奏の同時演奏を1回でやってのけている箇所が多数ある!(「Summertime」「Spain」など)本当にこんな事ができるのだろうか??
もちろん、オーバーダブも多用されている。コントラバスとエレクトリックベースの両方の特性をフル活用し、曲によって適所に使い分け、脳内アンサンブルを音に表している。
2本のベースのみならず、「追い風サイクリング」ではアッと驚くまさかの楽器が現れる。どんだけマルチなんだよと。この曲にはベース以外にも多数の楽器が使われており「この人何屋さんなんだろう??」と思わせる。
ソロ作品は究極の夢であり、究極のワガママなのだ。1人っきりだし、やりたい事を全部やるのが聴く方もすがすがしい。それでいてこれだけ完成度が高いんだからまいったなちくしょう。
「追い風サイクリング」を含めた4曲の彼のオリジナル作品からは、単なるジャズ・ベーシストを遥かに超えた壮大な世界観が垣間見える。「ユガテの白い雲」「Silence」が特にそうだ。また、「F system」からは同世代ならではの「うん、わかるわかる!」という懐かしさも感じる。

ベース1人っきりのソロ作品。皆様是非、裏切られてみて下さい。

橋本学(drums,percussions)
橋本学
橋本学

橋本学(はしもとまなぶ)

1976年2月28日兵庫県生まれ。
幼少時7年程バイオリンを経験。
中学校吹奏楽部にてドラム・パーカッションを始める。
大学入学後モダンジャズ研究会にて ジャズ・フュージョン活動を開始。
在学中にリットーミュージック社ドラムマガジン誌上ドラムコンテスト'98にて 「TOSHI・NAGAI賞」を受賞。
卒業後、インディーズバンド「GANA LOU」「STAY」を経てフリーランス活動へ。
2001年横浜ジャズプロムナード・コンペティションにて 西本康朗カルテットでグランプリ受賞。
2005年~2013年まで橋本学trio(伊藤志宏piano、織原良次fretless-bass)を主宰、作・編曲を手がける。
2010年、台湾・台中Jazz Festivalにて公演。
2011年よりhuman・beatboxにも挑戦。
橋本学trioを解散の後、2013年よりソロ・パフォーマンスを毎回テーマを変えて開始、ツアーも行う。
2014年より毎回メンバーの違う初顔合わせセッション企画「橋ワタシ学」シリーズを開始。
2014年11月、スイスにて4本の公演に参加。
2015年2月、橋本学trio活動再開。
同じく2月、ミュージカル「ラブ・イズ・ミラクル」へ楽曲提供。
使用楽器面ではドラム・セットの解体と木琴・パーカッションを含めた打楽器群の再構築を進める。
2016年、長野県富士見町へ移住。中部甲信地方発信の活動を開始。

近年の参加プロジェクトは、田中信正(p)”作戦失敗”トリオ、西山瞳(p)”NHORHM”、安ヵ川大樹(b)トリオ、コシミハル(vo,p,etc)”Moonray”、たなかりか(vo)”Flowers for Blossom”等。
アヴァン・ポップからトラディショナル・ジャズまで、近年ではピアノ・トリオやシンガーとの共演が多い。